1日20頭カットは当たり前じゃない。ソプラが頭数より大切にしていること

トリミング業界では「1日15頭以上こなせて一人前」という暗黙のルールがあります。私が新人だった頃、先輩から何度も言われました。「スピード上げないと売上に貢献できないよ」と。

前職のサロンでは、毎月の頭数目標が個人ごとに設定されていました。月間300頭。1日平均で14〜15頭です。休憩時間を削ってでも、とにかく回転率を上げる。仕上がりよりも効率。犬が疲れていても、次の予約が詰まっているから急ぐ。そんな日々でした。

SOPRA銀座に転職して5年になりますが、ここには頭数ノルマがありません。今日はそのことについて、正直に書いてみようと思います。

目次

1頭あたりにかける時間が、まったく違う

SOPRAに入社して最初に驚いたのは、先輩トリマーの仕事の丁寧さでした。シニアトレーナーの寺原さんが担当していたトイプードルのカット、私なら40分で仕上げるところを、寺原さんは1時間かけていました。

「遅いんじゃないか」と思った私に、寺原さんはこう言いました。
「早く終わらせることより、この子が次もここに来たいと思ってくれることの方が大事だから」

その言葉を聞いて、ハッとしました。前職では「次の予約」のことしか考えていなかった。目の前にいる犬のことを、本当の意味で考えられていなかったんです。

SOPRAの平均カット時間(トイプードル1頭の場合)

  • シャンプー・ドライ:30〜40分
  • カット:50分〜1時間10分
  • 仕上げ・飼い主様への説明:10〜15分

※犬の状態や毛量によって柔軟に調整します

もちろん、時間をかければいいわけではありません。でも、犬の様子を見ながら休憩を挟んだり、嫌がる部分は無理せず段階を踏んだりする余裕が、SOPRAにはあります。

効率より優先しているのは「犬の負担」と「仕上がり」

先月、7歳のミニチュアシュナウザーを担当しました。初めて来店したこの子は、トリミングが苦手で震えていました。前職なら「時間がないから」と押さえつけてでも終わらせていたかもしれません。

でもSOPRAでは違いました。店長に相談すると、「今日は無理しなくていいよ。できるところまでやって、次回に分けよう」と言われました。

結局その日は、シャンプーと足回りのカットだけで終了。次回の予約を取って、飼い主様には丁寧に状況を説明しました。飼い主様は「無理させなくてありがとうございます」と、むしろ喜んでくださいました。

売上より、信頼関係を選べる環境

この判断ができたのは、売上プレッシャーがないからです。前職では考えられなかった対応でした。

SOPRAでは個人の売上目標がありません。代わりに重視されるのは:

  • 飼い主様からのリピート率
  • 犬の状態改善(トリミング嫌いの克服など)
  • スタッフ間での技術共有や相互サポート

店舗全体の売上はもちろん追いますが、それを個人のノルマに落とし込むことはしていません。この違いは、働いていて本当に大きいです。

「丁寧な仕事」ができることで得られたもの

頭数を追わない働き方をして5年、私自身に起きた変化を挙げてみます。

技術への向き合い方が変わった

時間に追われないことで、カットの細部にこだわれるようになりました。耳の付け根のラインの整え方、足先のボリュームバランス。こういった部分は、急いでいると雑になりがちです。

今は1頭1頭、納得のいく仕上がりを目指せます。飼い主様から「前のサロンより綺麗になった」と言われる機会が増えて、それが純粋に嬉しいです。

犬の表情を読めるようになった

前職では、犬の「サイン」を見落としていました。耳を後ろに倒す、舌を出してハァハァする、視線をそらす。これらは全部「嫌だ」「怖い」というサインなのに、気づけていませんでした。

SOPRAでは、ドッグトレーナーと連携する機会も多く、犬の行動学について教えてもらえます。六本木店の鵜澤シニアトレーナーから「犬が自分から台に乗ってくるようになるまで、焦らずトレーニングする」という考え方を学んだときは、目から鱗でした。

体への負担が減った

これは副次的な効果ですが、無理なスピードで働かなくなったことで、腰痛がかなり軽減されました。前職では常に腰にサポーターをつけて、月に2回は整体に通っていました。

今も腰のケアは必要ですが、予防的なストレッチで十分になりました。これも「急がなくていい」環境があってこそだと思います。

もちろん、大変な日もあります

誤解のないように書いておくと、SOPRAでも忙しい日はあります。特に週末や連休前は予約が集中します。そういう日は、私も1日に10頭近く担当することがあります。

ただ、それが「毎日」ではないんです。平日は比較的余裕があり、1日6〜8頭のペースで、丁寧に向き合える日が多いです。

また、スタッフ間でフォローし合う文化があるので、1人で抱え込むことはありません。「この子、ちょっと時間かかりそう」と思ったら、先輩に相談できます。「じゃあ私が次の予約を代わりに入るから、ゆっくりやって」と言ってもらえる環境です。

こんな方には向いていないかもしれません

「とにかく数をこなして稼ぎたい」「歩合制で頑張った分だけ給与が上がる環境がいい」という方には、SOPRAのスタイルは物足りないかもしれません。私たちは固定給+賞与の安定型で、福利厚生を充実させる方針をとっています。

最後に:「別の価値観」で働く選択肢

トリミング業界の「1日20頭が当たり前」という文化を否定するつもりはありません。それが合っている人もいると思います。

ただ、私のように「もっと1頭1頭と向き合いたい」「丁寧な仕事がしたい」「犬の気持ちを優先したい」と思っている人にとって、SOPRAは選択肢の一つになると思います。

2026年秋には新店舗がいくつかオープンする予定で、トリマーの中途採用も積極的に行っています。もし「頭数に追われない働き方」に興味があれば、まずは店舗見学からでも大丈夫です。

もし迷っていたら、シニアトレーナーの鵜澤さん(六本木)か寺原さん(銀座本店)に直接話を聞ける機会も用意できます。エントリーフォームの「ご質問・ご要望」欄に「店舗見学希望」と書いていただければ、こちらから日程調整のご連絡をします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次