幼稚園の先生は何をしている?1日のスケジュールを朝から閉園まで公開

今朝、銀座本店の幼稚園フロアに出勤すると、すでに2頭のパピーが待合スペースで尻尾を振っていました。柴犬のコタロウくん(5ヶ月)とトイプードルのモカちゃん(4ヶ月)。飼い主さんは出勤前に立ち寄ってくださったようで、少し急いだ様子で私に声をかけてきます。「昨日から甘噛みがひどくて…今日、相談に乗ってもらえますか?」。こんな会話から、幼稚園スタッフの1日は始まります。

私は入社2年目の幼稚園担当です。「犬の幼稚園って何してるの?」とよく聞かれるので、今日は私の実際の1日を、朝から閉園まで時系列でお見せします。

目次

9:00-10:00 朝の受け入れ — 飼い主さんとの情報共有が最重要

幼稚園の開園時間は9時。でも私は8時45分には出勤して、部屋の温度チェックと前日の申し送り事項を確認します。特に体調面での変化や、新しく始めたトレーニング項目は要チェックです。

9時を過ぎると、続々とワンちゃんたちが登園してきます。この受け入れの時間が、実は一番大切な業務のひとつ。飼い主さんから以下のような情報をヒアリングします:

  • 前日の夜から今朝までの様子(食欲、排泄、睡眠)
  • 気になる行動の変化
  • 今日特に練習してほしいこと
  • お迎え時間の確認

冒頭のコタロウくんの飼い主さんのように、朝の立ち話で相談を受けることも多いです。「夕方のお迎えのときに、今日の様子と一緒に甘噛み対策をお話ししますね」と約束して、メモを取ります。このメモ、後で重要になるんです。

10時までに平均7〜10頭ほどが登園。土曜日はもう少し多くて12頭前後になることもあります。

10:00-12:00 午前のプログラム — 遊びと社会化トレーニング

全員揃ったら、まずは「朝のご挨拶タイム」。といっても人間の幼稚園のような朝の会ではなく、他の犬との穏やかな挨拶を練習する時間です。興奮しすぎず、怖がりすぎず、適度な距離感で他犬と関われるように誘導します。

その後は月齢と性格に応じてグループ分け。SOPRAの幼稚園では、だいたい以下のような分け方をしています:

  • パピーグループ(生後3〜6ヶ月):社会化が最優先。音への慣れ、人への慣れ、トイレトレーニング
  • ジュニアグループ(6ヶ月〜1歳):基本コマンド(おすわり、まて、おいで)の定着
  • シニアパピーグループ(1歳以上で最近入園した子):個別の課題に応じたプログラム

午前中は比較的エネルギーが高いので、体を使った遊びを多めに。トンネルくぐりや、低いハードル越え、ボール遊びなどを通じて、「楽しい」と「指示を聞く」を結びつけていきます。

この時間帯の難しさ
月齢も性格もバラバラな子たちを同時に見るので、常に全体を把握しながら個別対応する必要があります。Aちゃんが興奮しすぎていたらクールダウンの時間を設け、Bくんが引っ込み思案なら少し離れた場所で1対1の遊びを挟む。正直、最初の半年は目が回りました。

12:00-13:30 お昼休憩とお昼寝タイム

ワンちゃんたちにもお昼休憩が必要です。12時を過ぎると、クレートやサークルで静かに休む時間。この間に私たちスタッフも交代で昼食を取ります。

ただし、完全に手が離れるわけではありません。お昼寝中も定期的に様子を見て回り、体調変化がないかチェックします。先月、いつもよりぐったりしている子がいて、すぐに体温を測ったら微熱があり、飼い主さんに連絡して早めにお迎えに来ていただいたことがありました。こういう「いつもと違う」に気づけるかどうかが、幼稚園スタッフの腕の見せどころだと、先輩の寺原シニアトレーナーからよく言われます。

私のお昼休憩は30分ほど。スタッフルームで簡単にご飯を食べながら、午前中の気づきをノートに書き留めます。「コタロウくん、今日はトンネル怖がらなかった」「モカちゃん、おすわり3秒キープできた」といった小さな成長も、夕方の報告ネタになるので。

13:30-16:00 午後のプログラム — 個別トレーニングと新しいチャレンジ

午後は少し落ち着いたプログラムが中心です。午前中に体を動かした分、午後は頭を使うトレーニングを多めに組みます。

たとえば:

  • ノーズワーク(嗅覚を使ったゲーム)
  • おもちゃの片付けトレーニング
  • 「待て」の時間を少しずつ延ばす練習
  • クレートトレーニング(自分から入る練習)

また、この時間帯に個別対応も入れます。コタロウくんの甘噛み対策として、今日は「噛んでいいもの」と「噛んじゃダメなもの」の区別を教える時間を20分ほど設けました。噛みたい欲求自体は正常なので、代わりに噛んでいいおもちゃを提示して、そっちを選んだら褒める。地道ですが、これを繰り返すと1〜2週間で変化が見えてきます。

15時過ぎには、少しだけ自由遊びの時間。ここで他の犬との関わり方を観察します。「この子、前は怖がっていたのに今日は自分から近づいていったな」とか、そういう変化に気づけると嬉しくなります。

16:00-18:00 お迎え対応 — 飼い主さんへの報告が最大の仕事

16時を過ぎると、徐々にお迎えの時間帯に入ります。ここからが幼稚園スタッフの真骨頂です。

お迎えのとき、私がお伝えするのは以下の内容:

  1. 今日の様子(食事、排泄、遊びの様子を具体的に)
  2. できるようになったこと(小さな成長でも必ず伝える)
  3. 今後の課題(次のステップを一緒に考える)
  4. ご自宅でできる練習(幼稚園と家庭で連携するために)

コタロウくんの飼い主さんには、こんなふうにお伝えしました。「今日、甘噛み対策として噛んでいいおもちゃの選択練習をしました。手を噛もうとしたときに、おもちゃを差し出すと8割くらいはそっちに切り替えられましたよ。ご自宅でも、噛んできたら叱るのではなく、代わりのおもちゃを渡して、それを噛んだら褒める、を試してみてください」

飼い主さんの表情がパッと明るくなりました。「そうか、叱るんじゃなくて代わりを教えるんですね」。こういう瞬間が、この仕事の一番の手応えです。

報告の難しさ
限られた時間で、わかりやすく、かつ前向きに伝えるのは意外と難しいです。特に「今日はあまりうまくいかなかった」ときの伝え方。飼い主さんを不安にさせず、でも事実は正確に。この塩梅は今も試行錯誤しています。久保田シニアトレーナーの報告の仕方を見学させてもらって、少しずつ学んでいるところです。

お迎えは18時頃までに全員が帰ります。最後の子を見送ったあと、ホッとする反面、少し寂しくもあります。

18:00-19:00 閉園後の片付けと翌日準備

全員が帰ったら、ここからが片付けタイム。床の消毒、おもちゃの洗浄、クレートやサークルの清掃、タオルの洗濯。衛生管理は手を抜けません。

そして一番大事なのが、報告書の記入です。SOPRAでは各ワンちゃんごとに「幼稚園日誌」をつけていて、その日の様子、トレーニング内容、飼い主さんへの報告内容を記録します。これが次回の担当スタッフへの引き継ぎになるし、飼い主さんにも後日共有されます。

今日のコタロウくんの日誌には、「甘噛み対策:おもちゃ選択練習、成功率80%。飼い主さんに自宅での練習方法を伝達済み。次回フォローアップ」と記入しました。

最後にゴミ出しをして、明日の準備(必要なおもちゃや教材を出しておく)をして、19時過ぎに退勤。これが私の1日です。

よくある質問

体力的にきつくないですか?

正直、最初の3ヶ月は足が棒のようになりました。立ちっぱなし、しゃがんだり立ったりの繰り返し、興奮した子を落ち着かせるために一緒に動き回る。でも、慣れてくると体が順応します。今は週5日勤務でも大丈夫。ただし、体調管理は意識的にしています。

トレーナー資格がないとできませんか?

私は入社時、無資格でした。保育士の経験もありません。SOPRAは入社後の研修制度が充実しているので、基礎から教えてもらえます。先輩について実地で学びながら、少しずつ任される範囲が広がっていく感じです。もちろん、勉強は必要ですが。幼稚園の先生の募集要項には「未経験OK」と書いてあるのは本当です。

飼い主さん対応が苦手でも大丈夫?

私も最初は緊張しました。「うまく説明できなかったらどうしよう」って。でも、飼い主さんは基本的に味方です。みんな愛犬のことを真剣に考えていて、私たちの話を聞こうとしてくれる。誠実に向き合えば、必ず通じます。それに、困ったときは先輩がフォローに入ってくれるので、一人で抱え込むことはありません。

この仕事の本当のやりがい

時系列で追ってきましたが、最後に一つだけ。

この仕事の本当のやりがいは、「成長の瞬間に立ち会えること」だと私は思っています。それは犬の成長でもあり、飼い主さんの成長でもあります。

先月、入園当初は他の犬が怖くて固まっていたミニチュアダックスのハナちゃんが、初めて自分から他の子に近づいて匂いを嗅いだ瞬間。飼い主さんに動画を送ったら、「泣きそうです」と返信がきました。

「うちの子、本当に変われるんですか?」と不安そうだった飼い主さんが、3ヶ月後に「先生のおかげで、散歩が楽しくなりました」と笑顔で話してくれたとき。

そういう瞬間のために、朝から晩まで走り回れる。それが犬の幼稚園スタッフという仕事です。

もちろん、大変なこともたくさんあります。思い通りにいかない日、飼い主さんとの認識がズレて困る日、体力的に限界を感じる日。でも、それ以上に「明日もまた会いたい」と思える子たちが待っている。それがこの仕事を続けられる理由です。

もしこの記事を読んで、「幼稚園スタッフ、ちょっと面白そうかも」と思ったら、まずは実際に働いているスタッフの声を見てみてください。銀座本店では店舗見学も随時受け付けています。実際の幼稚園の様子を見てから決めても、遅くありません。

焦らなくて大丈夫です。あなたが「今だ」と思った瞬間に、エントリーボタンを押してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次