「トリマーは技術職だから、一度始めたらずっとその道を歩くしかない」——そう思っていました。私も入社当時はそうでした。でも、それは半分本当で半分間違いだったんです。
私は現在、SOPRA GINZA 池袋店でドッグトレーナーとして働いています。入社してもうすぐ4年目になりますが、最初の1年半はトリマーでした。今日は、なぜ私が職種転換を決めたのか、その過程で何を感じたのか、率直にお話しします。
トリマーとして働いた1年半で見えたこと
専門学校を卒業して、SOPRAにトリマーとして入社したのは2022年の春でした。銀座本店に配属され、毎日シャンプーとドライヤー、カット技術の習得に明け暮れていました。
トリマーの仕事は、本当に奥が深いです。同じプードルでも、毛質も性格も全く違う。飼い主さんの要望を聞き取って、その子に似合うカットを提案する。仕上がったときの達成感は、何度経験しても嬉しいものでした。
ただ、半年ほど経った頃から、自分の中でもやもやしたものが芽生え始めました。トリミング中に暴れてしまう子、怖がって震えている子——。「この子たち、もっと落ち着いてトリミングを受けられたら、お互い楽なのに」と思う場面が増えていったんです。
当時の私が感じていたこと:
- カット技術は着実に向上している実感があった
- でも、犬の行動そのものにアプローチできないもどかしさ
- 「怖がらせずに」という視点をもっと深めたい
転機は、幼稚園の見学だった
決定的だったのは、店舗内の犬の幼稚園を見学したときのことです。トリミング中に暴れていたゴールデンレトリバーの子犬が、幼稚園のレッスンでは楽しそうに「オスワリ」「マテ」をしていました。
担当していた寺原シニアトレーナーに「どうやってこんなに変わるんですか?」と聞いたら、「時間をかけて信頼関係を築くんだよ。トリミングは仕上がりまでの時間が決まってるけど、トレーニングは犬のペースに合わせられるから」と教えてくれました。
その言葉が、ずっと心に残りました。私がやりたかったのは、これかもしれない、と。
同僚トリマーへの相談
正直、迷いました。せっかく技術を身につけてきたのに、ゼロから別の職種を始めるのか。トリマーとしてもっと極めるべきじゃないのか。先輩トリマーの中には「もったいない」と言う人もいました。
でも、同期のトリマーが「私はカットが好きだからトリマーでいたいけど、あなたは『犬の気持ち』のほうに関心があるよね。それならトレーナーのほうが合ってるかも」と言ってくれたんです。その一言で、背中を押されました。
社内異動のサポート制度——思ったよりハードルは低かった
SOPRAには、正式な社内公募制度があります。福利厚生ページにも記載されていますが、半年以上在籍していれば、他職種への異動希望を出せる仕組みです。
私の場合、まず店長に相談しました。「トレーナーに興味があります」と伝えたところ、「じゃあ一度、池袋店の宮武さんに見学に行ってみる?」と、すぐに調整してくれました。
実際の異動までの流れ
- 店長への相談(1週間):希望を伝え、異動先候補の店舗を確認
- 異動先店舗での研修体験(2週間):池袋店で実際にトレーニングを見学・体験
- 正式な異動希望提出(1ヶ月):人事面談を経て、異動時期を調整
- 引き継ぎとトレーニング開始(1ヶ月):銀座本店での担当犬を後輩に引き継ぎ、池袋店へ異動
全体で3ヶ月ほどでした。思ったよりスムーズで、「会社として職種転換を応援してくれているんだな」と感じました。
トレーナーになって見えた、トリマーとの違い
異動してから2年が経ちました。今だから言えますが、最初の3ヶ月は本当に大変でした。トリマーのときは「カット技術」という明確な成果がありましたが、トレーニングは目に見える変化が出るまで時間がかかります。
時間軸の違い
トリミングは、2〜3時間で仕上がりが見えます。一方、トレーニングは数週間、長ければ数ヶ月かけて少しずつ変化を積み重ねる仕事です。最初は「本当にこれで合ってるのかな」と不安になりました。
でも、池袋店の宮武シニアトレーナーが「焦らなくていい。犬はちゃんと学んでるから」と毎回声をかけてくれて。3週間目に、怖がりだった柴犬の子が初めて私の手からおやつを食べてくれたときは、涙が出そうになりました。
飼い主さんとの関わり方
トリマーのときは、基本的に「仕上がり」に対する満足度が評価でした。トレーナーは、飼い主さん自身も一緒にトレーニングを学んでいく関係になります。「家でもできるようになりました!」という報告をもらったときの喜びは、トリマーでは味わえなかったものです。
両職種を経験して分かったこと:
- トリマー:「美しさ」と「快適さ」を即座に提供する仕事
- トレーナー:「行動変容」と「信頼関係」を時間をかけて育む仕事
- どちらも犬の幸せに貢献する仕事だけど、アプローチが全く違う
職種転換を考えている方へ——私が伝えたいこと
もしあなたが今、「別の職種に興味があるけど、今の仕事を辞めるのはもったいない」と悩んでいるなら、SOPRAのような社内異動制度がある環境は本当にありがたいです。
ゼロから別の会社に転職するのではなく、同じ会社内で新しい職種に挑戦できる。福利厚生も継続されるし、知っている先輩がいる安心感もあります。実際、私の場合は銀座本店時代の同僚が今でも相談相手になってくれています。
もちろん、簡単ではない
正直に言うと、職種転換後の最初の半年は「本当にこれで良かったのかな」と思う日もありました。トリマーとしてもっと上達できたかもしれない、という後悔の念が湧くこともありました。
でも、今担当している幼稚園の常連犬たちを見ていると、「この子たちと出会えて良かった」と心から思います。トリマーのままだったら、この景色は見られなかった。
よくある質問——実際に聞かれたこと
Q. 給与は下がりましたか?
A. 基本給は変わりませんでした。ただ、トリマー時代の「指名料」がなくなった分、最初の数ヶ月は月収がやや下がりました。今はトレーナーとしての評価制度で、入社時とほぼ同水準に戻っています。
Q. 資格は必要でしたか?
A. 私はトリマーの専門学校出身でしたが、トレーナー資格は持っていませんでした。SOPRA入社後、社内研修とOJTで学び、今年JKC公認訓練士の資格を取得しました。会社が受験費用を補助してくれる制度があります。
Q. 異動後、元の職種に戻ることはできますか?
A. 制度上は可能です。実際、以前トレーナーから再びトリマーに戻った先輩もいます。ただ、私は今のところ戻る予定はありません。
最後に——トリマー経験は無駄じゃなかった
トレーナーになって気づいたのは、トリマー時代の経験が今も活きているということです。犬の体に触れる技術、緊張している犬を落ち着かせる声かけ、飼い主さんとのコミュニケーション——全部、トリマー時代に学んだことです。
職種は変わりましたが、「犬と飼い主さんの幸せに貢献する」という軸は変わっていません。むしろ、両方の視点を持てるようになったことで、より広い提案ができるようになったと感じています。
もし今、トリマーとして働いていて「別の関わり方もしてみたい」と思っている方がいたら、まずはエントリーフォームから相談してみてください。見学だけでも歓迎です。私も池袋店で、あなたをお待ちしています。
今日も幼稚園には、元気なゴールデンレトリバーのレオくんと、少し臆病なトイプードルのモコちゃんが来ています。この子たちと一緒に、あなたと同じ景色を見られる日を楽しみにしています。
