トリマーの腰痛・腱鞘炎。19年続けてきた先輩が実践する体のケアと予防法

冬の銀座本店、暖房の効いたトリミングルームで、今日も私はシザーを握っています。トリマー歴19年。この仕事を始めた頃は、まさか自分がこんなに長く続けられるとは思っていませんでした。

正直に言うと、体は決して楽ではありません。朝起きたとき、腰が少し重い日もあります。シザーを持つ手首が、夕方になるとじんわり痛むこともあります。でも、辞めようと思ったことは一度もないんです。

この記事では、トリマーという仕事を長く続けるために私が実践してきた体のケアと、SOPRAが用意してくれているサポート体制について、できるだけ現実的にお伝えしようと思います。華やかな部分だけでなく、痛みや疲れとどう付き合ってきたかも含めて。

目次

トリマーの職業病、本当のところ

トリミング業界で働く人なら、誰もが一度は経験する体の不調。私の場合、最初に痛みを感じたのは入社3年目の夏でした。大型犬のグルーミング中、ふと腰を伸ばそうとしたときに「ビリッ」と走った痛み。その日は湿布を貼ってなんとかやり過ごしましたが、翌朝ベッドから起き上がるのに5分かかりました。

その後、六本木店の鵜澤シニアトレーナーに相談したところ、「ああ、みんな通る道だよ」と笑われました。でも、その後に続いた言葉が印象的でした。「大事なのは、痛くなってから対処するんじゃなくて、痛くならないように予防することなんだよね」。

現場でよく見る症状

SOPRAで働く仲間たちと話していて、多くのトリマーが抱えている症状をまとめてみます:

  • 腰痛 — トリミングテーブルでの中腰姿勢が続くことで発症。特に大型犬を担当する日は要注意
  • 腱鞘炎 — シザーやバリカンの持ち方、力の入れ方で手首や指に負担がかかる
  • 肩こり — 細かい作業での緊張状態が続くことによる筋肉の硬直
  • 膝の痛み — しゃがんでの作業が多く、膝関節に負担が蓄積

湘南辻堂店で働く後輩のMさん(トリマー歴5年)は、先月「最近、朝起きると指がこわばって、しばらく動かせないんです」と相談してきました。典型的な腱鞘炎の初期症状です。こういった声は、実は決して珍しくありません。

19年続けてこられた理由は「小さな習慣」の積み重ね

「じゃあ、どうやって19年も続けてこられたんですか?」とよく聞かれます。魔法のような解決策があるわけではありません。ただ、日々の小さなケアを積み重ねてきただけです。

作業中に意識していること

まず、姿勢です。トリミングテーブルの高さは、その日担当する犬のサイズに合わせて必ず調整します。「面倒だから」とそのままにしていた時期もありましたが、その代償は腰にきました。今は必ず調整しています。

それから、同じ姿勢を続けない工夫。1頭のトリミングが終わるごとに、必ず30秒だけ腰を伸ばす時間を作ります。トリミングルームの窓の外を見ながら、深呼吸を3回。たったこれだけですが、夕方の疲れ方が全然違うんです。

銀座本店・寺原シニアトレーナーのアドバイス
「シザーは握りしめるんじゃなくて、指で操るイメージ。力を入れすぎると手首に負担がかかるから、脱力することを意識してね」

仕事後のルーティン

退勤後、更衣室で必ずやっているのがストレッチです。所要時間は5分程度。手首をゆっくり回す、肩甲骨を寄せる、腰をひねる。地味ですが、これをやるかやらないかで翌朝の体の軽さが変わります。

週に2回は、帰宅後に湯船に浸かるようにしています。シャワーだけで済ませていた20代の頃は、慢性的な疲労感がありました。今は入浴剤を変えるのが密かな楽しみになっています。

会社として用意されているサポート体制

個人のケアも大切ですが、それ以上に助けられているのが、SOPRAの健康面でのサポート体制です。入社当初は「トリミングサロンにそんな制度があるの?」と驚きました。

定期的な健康チェックと相談体制

年に1回の健康診断は当然として、SOPRAでは半年に1回、各店舗で「体の不調チェック」を実施しています。マネージャーとの個別面談で、腰や手首の状態を報告し、必要に応じて業務内容を調整してもらえます。

昨年、恵比寿店で働く同期のKさんが腱鞘炎で整形外科を受診したとき、会社は彼女の勤務シフトを一時的に調整しました。大型犬の担当を減らし、小型犬メインのスケジュールに変更。治療に専念できる環境を作ってくれたんです。3ヶ月後、Kさんは無事に復帰しています。

働き方の柔軟性

SOPRAでは、体調に合わせて勤務時間や担当頭数を相談できます。実際、私も40代に入ってから、1日の担当頭数を若い頃より1〜2頭減らしてもらっています。その分、後輩の指導に時間を割いたり、お客様とのカウンセリングを丁寧に行ったり。キャリアの形を変えながら続けられる環境があります。

SOPRAの福利厚生ページには詳しく載っていませんが、現場レベルでのこういった配慮は、長く働いている身としては本当にありがたいと感じています。

道具選びへの投資

SOPRAでは、スタッフ一人ひとりの体格や使いやすさに合わせて、シザーやバリカンなどの道具選びをサポートしてくれます。入社時に支給される基本セットはありますが、手首に負担がかかりにくいシザーが欲しいと相談したところ、上司が一緒に選んでくれました。

また、各店舗のトリミングテーブルは油圧式で高さ調整がスムーズ。これが手動式だったら、毎回の調整が面倒で結局やらなくなっていたと思います。道具への投資は、そのまま私たちの体への投資なんです。

それでも痛くなったときは、正直に相談すること

どんなに気をつけていても、痛みが出ることはあります。大切なのは、我慢しないこと。これは声を大にして言いたいです。

池袋店の宮武シニアトレーナーから聞いた話ですが、以前、無理をして働き続けた結果、手術が必要なほど腱鞘炎が悪化したスタッフがいたそうです。「もっと早く言ってくれていたら、ここまでひどくならずに済んだのに」と、本人も周囲も後悔したと言います。

今のSOPRAでは、そういった経験を踏まえて、早期の相談を推奨する文化が根付いています。朝礼や終礼で「体の調子はどう?」と声をかけ合うのが日常です。

我慢は美徳ではない
痛みを感じたら、すぐに上司やシニアトレーナーに相談してください。早期対応が、長く働ける秘訣です。

これから応募を考えている方へ

「トリマーは体力仕事だから、若いうちしかできない」と思っている方もいるかもしれません。確かに体への負担はあります。私も朝起きたとき、20代の頃のような軽やかさはもうありません。

でも、正しいケアと周囲のサポートがあれば、長く続けられる仕事だと19年間の経験から断言できます。むしろ、経験を重ねるごとに、無駄な力を抜くコツや効率的な体の使い方が分かってきます。技術が上がれば上がるほど、体への負担は減っていくんです。

SOPRAは、2026年秋に新店舗が続々オープンする予定で、今まさに中途トリマーを積極採用中です。「体力的に不安がある」という方も、まずはエントリーフォームから相談してみてください。店舗見学では、実際のトリミングルームの設備や、スタッフ同士が声をかけ合う雰囲気を見ていただけます。

健康診断の結果で気になることがある方、過去に腰痛や腱鞘炎で悩んだ経験がある方も、率直にお話しください。その上で、どんな働き方ができるか一緒に考えましょう。

今日も銀座本店のトリミングルームには、私を待っている子たちがいます。モコちゃん(常連のトイプードル)は私が手首のストレッチをしていると、不思議そうに首を傾げて見つめてきます。この子たちとの時間を、これからも大切にしていきたい。そしていつか、あなたと同じ景色を見られる日を楽しみにしています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次