厚生労働省の調査によると、ペット関連業界の平均勤続年数は約4.2年。給与への不安が、この短い勤続年数の一因になっていることは間違いありません。私は人事として、この数字を変えたいと思っています。
SOPRA GINZAで採用・評価を担当して5年。面接で「給与は上がるんですか?」と聞かれることは多いですが、逆に「どんな基準で評価されるんですか?」と踏み込んで質問してくれる方は少数です。でも、これこそ入社前に知っておくべき最重要事項ではないでしょうか。
今日は、普段なかなか表に出ない「給与と評価の仕組み」を、できる限り具体的にお話しします。美化も誇張もなく、ありのままを。
SOPRAの評価制度:年2回の査定で何を見るのか
当社の昇給査定は、4月と10月の年2回実施しています。ボーナス査定とは別に、基本給の見直しを半年ごとに行う仕組みです。
評価項目は大きく分けて以下の4軸です:
- 技術力:トリミングの仕上がり精度、トレーニングの成果、保定技術など職種ごとの専門性
- 接客力:飼い主様への説明のわかりやすさ、クレーム対応、リピート率への貢献
- チームワーク:後輩指導、シフト調整への協力、店舗運営への積極性
- 成長意欲:資格取得、外部セミナー参加、新メニュー提案など
それぞれ5段階評価で、直属の店長が一次評価、私を含む人事と役員が二次評価を行います。ここで大事なのは、「技術だけ」では評価が頭打ちになるという点です。
例えば、銀座本店の3年目トリマーBさん(仮名)は、カットの腕は抜群なのですが、後輩への指導をあまりしたがらない時期がありました。技術評価は常に4〜5なのに、総合評価が3.5で止まってしまっていた。半年後の面談で「チームに貢献する姿勢」について話し合い、意識的に新人のサポートに入るようになってから、次の査定で基本給が8,000円上がりました。
役職手当と資格手当:具体的な金額を公開します
基本給の昇給とは別に、役職や資格によって支給される手当があります。ここは正直、業界内でもあまり明示されない部分ですが、透明性を優先してお伝えします。
役職手当(月額)
- 副店長:15,000円
- 店長:30,000円
- シニアトレーナー:40,000円(鵜澤・久保田・寺原・宮武各氏が該当)
- エリアマネージャー:50,000円
店長昇格の目安は入社3〜5年、シニアトレーナーは技術と指導実績が認められた一握りのスタッフです。現在、14店舗で4名のシニアトレーナーが在籍していますが、全員が10年以上のキャリアを持っています。
資格手当(月額)
- JKC公認トリマーB級:3,000円
- JKC公認トリマーA級:5,000円
- JAHA認定ドッグトレーナー:4,000円
- CPDT-KA(国際資格):6,000円
- 愛玩動物看護師:8,000円
複数資格を持っている場合は併給されます。湘南辻堂店の久保田シニアトレーナーは、CPDT-KAとJAHA認定の両方を保有しているので、資格手当だけで月10,000円です。
注意:資格手当は「資格を取ったら自動支給」ではありません。その資格を業務で活かしていることが前提です。例えば、トリマー職でドッグトレーナー資格を取得しても、実際にトレーニング業務を担当していなければ手当は発生しません。
実際に給与が上がったスタッフ、3つのケース
制度の話だけでは実感が湧かないと思うので、直近1年で大きく昇給したスタッフの実例を3名ご紹介します(個人が特定されないよう一部ぼかしています)。
ケース1:入社2年目トリマーCさん(吉祥寺店)
入社時の基本給は215,000円。1年目は技術習得に必死で、評価は平均3.0でした。2年目に入ってから自主的にカラーリング技術の外部講習に参加し、SNSでの発信も始めたところ、指名客が増加。
2年目10月の査定で基本給が12,000円アップし、227,000円に。さらにJKC B級を取得したことで資格手当3,000円が追加され、月の総支給は入社時比で約20,000円増えました。年収ベースでは約30万円のプラスです。
ケース2:入社4年目ドッグトレーナーDさん(恵比寿店)
入社時は未経験で基本給190,000円からスタート。真面目にコツコツ経験を積み、3年目でJAHA認定資格を取得。4年目に副店長に昇格し、現在の基本給は238,000円、副店長手当15,000円、資格手当4,000円で、月の総支給は257,000円です。
入社時から比べると月67,000円、年間で約80万円の昇給になっています。Dさんの場合、技術評価よりもチームワークと成長意欲の評価が高く、「後輩の面倒見の良さ」が副店長抜擢の決め手になりました。
ケース3:入社7年目トリマーEさん(横浜店)
入社当初は「給料は二の次、とにかく技術を磨きたい」と語っていたEさん。実際、5年目までは昇給ペースは緩やかでした(年平均6,000円程度)。
転機は6年目。店長から「新メニュー開発チーム」のリーダーを任され、ハーブパックメニューを企画・導入。これが他店舗にも展開され、会社全体の売上に貢献しました。7年目4月の査定で基本給が一気に25,000円アップ。現在は店長候補として、月の総支給は320,000円を超えています。
Eさんのケースは「技術の追求」だけでなく「経営への貢献」が評価された例です。もちろん大変な時期もあったと聞いています。新メニューのマニュアル作成で残業が増えた月もありました。でも、その頑張りが正当に評価される仕組みがあることは、お伝えしておきたいです。
正直に言うと、難しい部分もあります
ここまで制度の「良い面」を中心にお話ししてきましたが、課題もあります。人事として隠したくない現実をいくつか。
まず、入社1年目の昇給は限定的です。技術が未熟な段階では、どうしても評価が伸びにくい。最初の1年は「下積み期間」と捉えてもらう必要があります。実際、1年目の平均昇給額は4,000〜6,000円程度です。
次に、店舗間で評価のばらつきがあるという問題。店長によって評価の甘辛に差が出ることは否めません。これを是正するため、昨年から人事による「評価者研修」を導入し、基準の統一を図っていますが、完璧ではありません。
そして、役職ポストには限りがあるという構造的な問題。店長は各店1名、シニアトレーナーは全社で4名。どんなに優秀でも、ポストが空いていなければ昇格できない。この点は、2026年秋の新店舗オープンで状況が変わる見込みですが、現時点では「待ち」が発生する可能性があります。
重要:評価制度は「完璧」ではありません。不満や疑問があれば、半年ごとの面談で遠慮なく伝えてください。フィードバックをもとに、制度自体も進化させていきたいと考えています。
給与以外の「報われ方」も見てほしい
給与は大事です。生活の基盤ですから。でも、人事として伝えたいのは、「報われる」の定義は給与だけではないということ。
例えば、当社では社員割引(愛犬のトリミングは1頭まで無料、ペットホテルも無料、犬の幼稚園は50%OFF、トレーニングは30%OFF、物販は20〜30%OFFなど)を利用できます。ペットを飼っているスタッフにとっては、見えない収入になります。
また、産休・育休からの復帰率は約85%。時短勤務や週4日勤務も相談可能で、ライフステージが変わっても働き続けられる環境を整えています。これは「長期的な収入の安定」という意味で、目先の月給と同じくらい重要だと思います。
詳しい福利厚生については、福利厚生ページもご覧ください。
よくある質問:面接では聞きにくいことにお答えします
Q. 前職の給与を考慮してもらえますか?
A. はい、考慮します。ただし「前職給与を100%保証」ではなく、「前職給与と当社規定の中間値」を提示することが多いです。例えば、前職が月25万円で当社規定が21万円の場合、23万円でスタートといった形です。面接時に希望をお聞きし、できる限り調整します。
Q. 賞与はどのくらいですか?
A. 年2回、夏冬に支給しています。金額は業績と個人評価によりますが、平均で基本給の1.5〜2ヶ月分です。好調な年は2.5ヶ月分になることもあります。ただし、入社1年目の夏季賞与は寸志程度(3〜5万円)とお考えください。
Q. 昇給交渉はできますか?
A. もちろんです。査定面談の場で「この評価に納得できない」「こういう成果があったはず」と伝えてください。再評価の結果、昇給額が変わったケースも実際にあります。遠慮は不要です。
最後に:数字の先にある、あなたの未来
ここまで数字ばかり並べてきましたが、本当に伝えたいのは「SOPRAには、頑張りが給与という形で返ってくる仕組みがある」ということです。
完璧な制度ではありません。改善の余地もあります。でも、スタッフの成長を正当に評価し、長く働けば報われる会社でありたいと、経営陣も人事も本気で考えています。
もし「この記事を読んで、もっと詳しく聞きたい」と思ったら、エントリーフォームから面接にお越しください。給与のこと、評価のこと、遠慮なく質問してください。人事の私が直接お答えします。
トリマー・ドッグトレーナーとして長く働ける場所を探しているあなた。数字だけでなく、制度の中身を見極めたいと考えているあなた。SOPRAのスタッフ一同、あなたからのエントリーを心待ちにしています。
